現場の「知恵」を蓄積する..
何だか難しそうです。
その上、帰納法とか演繹法を活用するとなると..
もっと、とっつきにくいですね。
でも、これは考えて仕事をしている人なら
難しい理屈なしに普通に誰でもやっていることです。
当たり前なことです。
それを、事例を上げて整理し解説していきます。
ある居酒屋さんでのことです。
こんなことが体験的に分かりました。
気温が28度を超えたら...
A店では、生ビールの売上があがった
B店でもそうだった。
C店でも、D店でも、他の店でも同じだった。
だから
「気温が28度を超えたら生ビールの売上が上がる」
という結論が導き出されます。
これを帰納法で考えると下の図になります。
「気温が28度を超えたら生ビールの売上が上がる」
という事実をA店、B店....F店で確認しました
これは、帰納法という原理を証明する方法です。
帰納法とは
個々の事象(事実)から
共通性・関係性を見つけ
一般的な原理(法則)を導くこと
です。
普段は、帰納法という言葉は普段使いませんが、
考えて仕事をしている人なら誰でもやっていることです。
このように、事実を積上げて原理(法則)を見つけて
仕事に活かしているはずです。
カルロス・ゴーンさんは、
「ルネッサンス ― 再生への挑戦」という本の中で、
このように書かれています。
実際の経験を、一つひとつ積み重ねることで、
マネジメントの効果を高める基本的なツールを発見することができる。
そして、一つひとつの問題に挑戦することで、
そのツールに磨きをかけて、
明晰な決断を下すことができるようになるのである。
私は実地試験を積み上げてマネジメントの様々な基礎を学んだ。
それだけのことである。
ここで言っている..
「マネジメントの効果を高める基本的なツールを発見すること」
これこそが、
・現場の事実を積上げて原理(法則)を見つけ出し
・仕事の可能性を広げる「考える材料・打つ手」をを創る
ことだと考えます。
この基本的なツールは、現場の「知恵」です。
それを、社内で共有して使いこなすには...
ツールに磨きをかけることが必要です。
要するに、何度も試して、正しいかどうかの検証をするのです。
この居酒屋さんでは、
普段、普通に生ビールは売れています。
でも、気温が28度を超えたことで、
生ビールがたくさん売れるという
仮説を導きだしました。
そして、各店でその仮説を当てはめてみます。
これが「演繹的に考える」ことです。
これは仮説の検証でもあります。
帰納法で導いた原理(法則)が「使える」となれば、
全店の運用マニュアルとして採用することができます。
ただ、この帰納法にも弱点があります。
それは...
・知っている事実だけで判断している
・知らない事実は認識されていない
ということです。
すべての事実を検証しないと
確実な結論(原理・法則)は得られません。
でも、すべての事実を検証することは不可能です。
便宜的に、
80%の人が納得できればOKと考えて大丈夫..
だと私は考えています。
なぜ、完璧を求めないのか?
と言う疑問がわき上がると思います。
論理の勉強なら、100%の完全を求めるのでしょうが、
現場の仕事では、環境がどんどん変わります。
現場は、日々変化しています。
前提条件が変われば、原理(法則)は、変わります。
現場で気づき、考えて..
発見した原理(法則)は、
どんどん改訂していくことが必要です。
こんなことは..
優秀な人なら、考えて仕事をしている人なら..
誰でもやっています。
・メモしたり
・ノートをとったり
・書いていなくても頭に整理して入っています
でも、これでは..
その現場で得た「知恵」が個人の所有になってしまいます。
その人がいなくなると、会社の知恵が失われます。
そして、経営者は優秀な人が欲しいと悩み続けることになります。
私が目指しているのは...
現場で発見したことを、社内のみんなで教えあって、
職場のレベルアップを計っていくことです。
そのためには、
・個人が、考えながら仕事をすることと、
・会社が、そのためのバックアップや制度を創ることが
必要になります。
現場のノウハウ蓄積の応援をするのが私の天職です!
デービッド・コルブの「経験学習モデル」
失敗から学び、改善した例
現場の知恵を蓄積・活用した例
「失敗」の定義で人生が変わる!
現場の「経験学習」(現場体験から学ぶ)