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どんなことから、今の図解思考に行きついたのか、思い出話を踏まえて書いていこうと思います。

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事業の仕組みの調査を始める


事業の仕組みの調査を始めると、見えてくるもの
 「次に何をやればいいのか分からない」
そんなふうに立ち止まってしまう時って、ありますよね。

目の前の仕事が減っていく。これまで頼りにしていた流れが止まる。
頑張りたい気持ちはあるのに、どこへ向かえばいいのか分からない。

焦ります。怖くもなります。

でも、そんな時こそ大事なのは、いきなり答えを出そうとすることではなく、
世の中の「事業の仕組み」を見に行くことなのかもしれません。

今回は、30数年前に私が始めた「事業の仕組みの調査」についてお話しします。

棚ぼたは、長くは続かない


30数年前のことです。
今振り返ると、あれは完全に“ビギナーズラック”でした。
でも、それは長くは続きませんでした。

バブル崩壊直後。システム開発の案件はどんどん減っていきました。
以前のように仕事が来ることはない。あがいても、待っていても、状況は変わらない。

「ああいう仕事は、もう来ないな」

そう悟った時、私は腹を括りました。

実力を付けるしかない。
運よく入ってきた仕事に頼るのではなく、自分の中に残る力を育てるしかないと思ったのです。

幸い、棚ぼたのおかげで少しだけ余裕はありました。その時間を、生活費を稼ぐためだけに使うのではなく、
学習に使おうと決めました。

そこで始めたのが、事業の仕組みを徹底的に調べることでした。

会社訪問という現場調査


当時、私は代理店を募集している会社や、
面白そうな商品・サービスを持っている会社を片っ端から訪問しました。

そして、こう言っていました。
「バブル崩壊で仕事がなくて……。何をやればいいか探しているんです」


これは嘘ではありません。
実際に仕事は減っていましたし、次に何をするべきか分からなかったのも本当です。

ただ、本音は少し違いました。
私は、その会社の代理店になるつもりも、
商品を売るつもりも、ほとんどありませんでした。目的は別にあったのです。

知りたかったのは、商品やサービスの中身。
そして、その事業がどうやって成り立っているのか。
さらに、営業ツールやパンフレットがどのように作られているのか。

今で言えば、ビジネスモデルの調査です。

当時はまだ「ビジネスモデル」という言葉は、今ほど一般的ではありませんでした。
でも私はSEでしたから、コンピュータシステムを作る前に、
まず業務システムを理解する必要があると考えていました。

だから、いろいろな業種の仕組みを見ておきたかったんです。



根ほり葉ほり聞くことで見えるもの


訪問した会社では、本当にいろいろなことを聞きました。
 ・どうやって利益を出しているのか。
 ・収益は単発なのか、継続なのか。
 ・お客さんは誰なのか。
 ・価格設定の根拠はどこにあるのか。
 ・競合との差別化は何なのか。
今思えば、かなり失礼なくらい根ほり葉ほり聞いていたと思います。

もちろん、申し訳ない気持ちはありました。
相手からすれば、「この人、本当に代理店をやる気があるのかな」と思ったかもしれません。
でも、こちらも必死でした。

「仕組み」を知らなければ、次の一手が見えない。
何となく良さそうな商品を扱っても、その裏側にある収益構造や顧客との関係性が分からなければ、
事業として続かない。

商品を見るだけでは足りません。
その商品が、誰に、どう届き、どこで利益が生まれ、どう継続していくのか。
そこまで見ないと、本当の意味では分からないんですよね。

成功している会社は「構造」を持っている


いろいろな会社を回るうちに、少しずつ見えてきたことがありました。
成功している会社は、商品そのものだけで勝っているわけではありませんでした。

もちろん商品力は大事です。
でも、それ以上に大きかったのは、“儲かる構造”をきちんと設計していることでした。
 ・収益の流れがある。
 ・コスト構造が見えている。
 ・顧客との接点が考えられている。
 ・再購入の仕組みがある。
 ・紹介が生まれる設計がある。
つまり、事業全体が構造化されているのです。

私は自然と、それらを図に描き始めました。
商品、顧客、営業、収益、コスト、紹介、継続。その関係性を紙に落としていくと、
「この会社はなぜうまくいっているのか」が少しずつ見えるようになりました。

一方で、「これは厳しいな」と感じる会社もありました。商品は面白い。
でも売り方が弱い。顧客が曖昧。継続収益がない。利益が残りにくい。

外から冷静に見ることで、うまくいく仕組みと、
うまくいきにくい仕組みの違いが分かるようになっていきました。

これは大きな学びでした。

調査の日々が、後の仕事につながった


その経験は、後に思わぬ形で活きることになります。
私はやがて、「社長のゴーストライター」のような立場で、事業企画を図解化する仕事をするようになりました。
社長の頭の中にある構想を聞き出し、それを整理していく仕事です。
 ・誰の悩みを解決するのか。
 ・どんな問題を扱うのか。
 ・どのような商品・サービスで解決するのか。
 ・なぜそれが可能なのか。
 ・顧客はどんな未来を手に入れるのか。
 ・どんな人が、その事業に参加するのか。
こうしたことを一つひとつ可視化していくのです。

振り返ると、あの時にいろいろな会社を訪問し、事業の仕組みを見て回った経験が、
すべて土台になっていました。

当時は、ただ必死でした。
仕事がなくて、次を探していただけです。
でも実際には、私は“仕事”を探しているようで、“事業の仕組み”を探していました。

偶然よりも、構造を理解する力


棚ぼたの仕事は終わりました。
でも、そこで腐らなかったことは本当に大きかったと思います。

偶然の成功は、ありがたいものです。
でも、それは自分で再現できるとは限りません。

一方で、構造を理解する力は残ります。
事業がどう成り立っているのか。利益はどこで生まれるのか。顧客はなぜ買うのか。どうすれば続くのか。
そこを見抜く力は、業種が変わっても、時代が変わっても、自分を助けてくれます。

今、もしあなたが「次に何をすればいいのか分からない」と感じているなら、
焦って答えを出さなくても大丈夫です。

まずは、世の中の事業の仕組みを見てみる。
うまくいっている会社が、なぜうまくいっているのかを観察してみる。
商品ではなく、その裏にある構造に目を向けてみる。

そこから、自分の次の道が見えてくることがあります。

私にとって、あの調査の日々こそが、本当の意味でのスタートでした。
棚ぼたが終わった後に始めた学びが、後の専門性の土台になったんですよね。


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