現場の「知恵」を蓄積する..
何だか難しそうです。
その上、帰納法とか演繹法を活用するとなると..
もっと、とっつきにくいですね。
でも、これは考えて仕事をしている人なら
難しい理屈なしに普通に誰でもやっていることです。
それを、事例を上げて整理し解説していきます。
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ある居酒屋チェーン店さんでのことです。
こんなことが体験的に分かりました。
気温が28度を超えたら...
A店では、生ビールの売上があがった
B店でもそうだった。
C店でも、D店でも、他の店でも同じだった。
だから
「気温が28度を超えたら生ビールの売上が上がる」
という結論が導き出されます。
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これを帰納法で考えると
右の図になります。
「気温が28度を超えたら
生ビールの売上が上がる」
という事実をA店、B店....
F店で確認しました。
帰納法で証明したということです。
帰納法とは
個々の事象(事実)から
共通性・関係性を見つけ
一般的な原理(法則)を導くこと
です。 |
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帰納法という言葉は普段使いませんが、
考えて仕事をしている人なら誰でもやっています。
このように、事実を積上げて原理(法則)を見つけて
仕事に活かしているはずです。
ゴーン氏は本の中で、このように書かれています。
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実際の経験を、一つひとつ積み重ねることで、
マネジメントの効果を高める基本的なツールを
発見することができる。
そして、一つひとつの問題に挑戦することで、
そのツールに磨きをかけて、
明晰な決断を下すことができるようになるのである。
私は実地試験を積み上げてマネジメントの様々な基礎を学んだ。
それだけのことである。
ルネッサンス ― 再生への挑戦 [単行本]
著 者:カルロス・ゴーン
翻 訳:中川 治子
ダイヤモンド社 (2001/10/25) |
ここで言っている..
「マネジメントの効果を高める基本的なツールを発見すること」
これこそが、
・現場の事実を積上げて原理(法則)を見つけ出し
・仕事の可能性を広げる「考える材料・打つ手」をを創る
ことだと考えます。
導き出した「原理」を、普段の仕事に活かす方法は.
・天気予報を見て
・気温が28度を超えると確認し
・生ビールがたくさん売れるという仮説を導きだし
・売上の増加に対応する準備をする
ということです。
チェーン店ですので、全店でその仮説を当てはめ準備をします。
これが「演繹的に考える」ことです。
帰納法で導いた原理(法則)が「使える」となれば、
全店の運用マニュアルとして採用することができます。
ただ、この帰納法にも弱点があります。

それは...
・知っている事実だけで判断している
・知らない事実は認識されていない
これは間違いありません。
すべての事実を検証しないと
確実な結論(原理・法則)は得られません。
でも、すべての事実を検証することは不可能です。
便宜的に、80%の人が納得できればOKと考えて大丈夫..
だと私は考えています。
なぜ、完璧を求めないのか?
と言う疑問がわき上がると思います。
論理の勉強なら、100%の完全を求めるのでしょうが、
現場の仕事では、環境がどんどん変わります。
現場は、日々変化しています。
前提条件が変われば、原理(法則)は、変わります。
現場で気づき、考えて..
発見した原理(法則)は、どんどん改訂していくことが必要です。
実は、このようなことは..
優秀な人なら、考えて仕事をしている人なら..
誰でもやっています。
・メモしたり
・ノートをとったり
・書いていなくても頭に整理して入っています
担当者によって成果が違う原因となっています。
でも、これでは..
その現場で得た「知恵」が個人の所有になってしまいます。
その人がいなくなると、会社の知恵が失われます。
そして、経営者は優秀な人が欲しいと悩み続けることになります。
私が目指しているのは...
現場で発見したことを、社内のみんなで教えあって、
職場のレベルアップを計っていくことです。
そのためには、
・個人が、考えながら仕事をすることと、
・会社が、そのためのバックアップや制度を創ることが
必要になります。
■帰納法と演繹法の関係
現場で考えて原理を導き出し
導き出した原理を、運用の「ツール」として
共有・蓄積・伝承していくことです。
ただ、社内で共有して使いこなすには...
ツールに磨きをかけることが必要です。
現場で「気づき・考え・工夫する」ことが必要です。
その応援をするのが私の天職と考えています!
知恵の蓄積の考え方(帰納法・演繹法を活用する)
失敗から「気づき・考え・工夫し」改善した
日々の仕事から「現場の知恵」を蓄積する
「知恵」集めたマニュアルが必要な時代になりました
「現場の知恵」の蓄積と効果
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