もったいないと思うことがあります。
それは、仕事の現場で「気づいたこと」、失敗から「学んだこと」を
「現場の知恵」として
・共有
・蓄積
・伝承
されていないと言うことです。
体験した人の頭の中にだけあります。
何か問題が起これば、頭の中の「知恵」を使って解決策を考えます。
でも、その人がいなくなると(定年退職・転職・病気..)、
会社に「知恵」存在しなくなります。
その人が、現場で失敗したりしながら(会社のコストで)
得た「知恵」が、会社内から失われます。
そして、別の誰かが同じよに現場でゼロから積上げます。
優秀な人ばかりで、早く「気づいて、考えて」成長して
戦力になってくれれば良いのですが..
言われたことだけを「一生懸命頑張る!」という人では
現場からの学びは少ないのです。
組織として、現場の「知恵」が積み上がらないと、
いつも同じレベルで足踏みすることになります
■日々の問題解決で「現場の知恵」を蓄積する
仕事は、業績向上のための問題解決の連続です。
問題解決のために論理思考が必要です。
論理思考を上手くやるために「図解」が役に立ちます。
問題解決は、業務改善として「仕組み」を変えることで、
仕事の「仕組み」としての性能が高まっていきます。
業務改善の基本になるのが、現場での「気づく・考える・工夫する」です。
業務改善には
1.
工程改善:成果の出る手順(ステップ)
業務プロセスや作業工程で無駄を減らし生産性を高める
2.
作業改善:上手くやる方法(ノウハウ)
上手く作業をこなすためのコツ、作業の方法や細部を工夫
3.
環境改善:能力を底上げする(ツール)
職場環境や設備による無駄削減、ツールによる生産性の向上
この3つがあります。
抽象的ではなく、具体的なアイデアで改善を積上げることです。
目の前の行動を変えるアイデアをみんなで出し合って、
業務プロセス図(仕事の設計図)を書き換えていきます。
■経験の掘り起し「個人知」から「組織知」へ
※「概念化」..頭の中にあることを言葉で表現し、体系化すること。
個人が現場で「きづき」、失敗したことからの「学び」を
分かりやすい言葉で表現することで
・自分の「気づき」、「学び」を整理し明確にすることができ
・周りの人に伝えることができ
ます。
これができると
・職場のみんなで検討
・現場での再現性を検証
できます。
そして、成果につながる可能性を高めるために業務プロセスを変える。
組織として「標準化」の性能を高めていきます。
■エピソード記憶をソリューション記録へ
個人の頭の中には、体験談・思い出がたくさんあります。
お酒の席で、武勇伝や自慢話をする人もいます。
その状態では、組織の役に立てることはできません。
これでは「エピソード記憶」として止まっている状態です。
これでは、他の人の役に立ててもらうことはできません。
言葉にする「概念化」を通して
「ソリューション記録」にすることができます。
ソリューション(問題解決の手法)として記録することで
組織の役に立つノウハウを、一つひとつ創って
積上げることができます。
■会社が収益を上げる構造
会社が売上を上げるために必要なこととな何でしょうか?
あたり前ですが、
「利益はお客様からしか生まれない」ということです。
業績は、あくまでも企業活動の結果です。
企業ができることは結果につなげるための活動だけです。
ドラッガーは
「企業内部にはコストしかない、利益は社外にしかない。」 と言っています
では、どうしたらいいのか?
その活動を、どのように考えたら良いのでしょうか?
現場のみんなで考えて、小さなアイデアを積上げて
成果につながる業務プロセスを改善し続けることです。
■現場でアイデアを積上げた例
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スーパーでイチゴのパックを買って帰ったら、
つぶれた粒があったという経験はありませんか?、
あるお店では袋に空気を入れてクッションになる包装をしてくれるので
つぶれにくくなります。店員さんの考えた小さなアイデアです。 |
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ラーメン屋さんで、温度を下げない工夫をしています。
冷めたひしゃくでスープをすくうと温度が下がります。
そこで、スープをすくうひしゃくを寸胴に浮かべておきます。
あるラーメンチェーンのアイデアです。 |
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駅の券売機の横に、傘を置く工夫。
雨の日に、切符を買うときに傘が邪魔になります。
何もないと、ふちに傘を掛けるとすべって落ちてしまいます。
そこで落ちないような工夫が生まれました。 |
以下の、どちらが組織として競争力のある「強み」を築けるでしょうか?
●アイデアがあり、組織に「知恵」が日々積み上がっている会社
上からの押し付けではなく、現場で考えて・試して積上げる
成果を生み出す「業務プロセス」を成長させる
新人が入ったら、基本となるべきところをしっかり「offJT」して現場に入れられる
組織で仕事をして行くので、優秀な個人の影響度を下げて仕事ができる
●優秀な少数の少数の担当者の頭の中にある会社
優秀な個人に頼りきって仕事を進め、成果の多くを頼っている状態から抜けられない
優秀な人が辞めたら、ノウハウが無くなってしまう
新人教育では優秀な人は教えることが充実しているが..そうでない人は、教えられない
優秀な社員が辞めると、業績に直接大きな影響がある
どちらで会社を運営するのが良いか?
これからは、変化変化の激しい時代には
組織に「知恵」が日々積上げっていく会社になっていくことが必要です。
知恵の蓄積の考え方(帰納法・演繹法を活用する)
失敗から「気づき・考え・工夫し」改善した
日々の仕事から「現場の知恵」を蓄積する
「知恵」集めたマニュアルが必要な時代になりました
「現場の知恵」の蓄積と効果
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