本文へスキップ

どんなことから、今の図解思考に行きついたのか、思い出話を踏まえて書いていこうと思います。

info@teoria.co.jp

〒942-0036 新潟県上越市東中島1943-91

「知のシート」で経験知を積上げて資産化する 自分の才能を活かして誰かの役に立とう!

0024一週間かけた1枚の図解が裏紙に..  


「一生懸命つくったのに、まったく伝わらなかった」
そんな経験、ありませんか。

自分ではかなり考えた。時間もかけた。相手のためになると思った。
それなのに、相手の反応は薄い。こちらが期待していたほど、響いていない。

仕事をしていると、こういう場面に出会うことがあります。
特に、提案書や企画書、図解のように「自分の頭の中を形にしたもの」ほど、
受け取られなかったときのダメージは大きいものです。

今日は、私の若い頃の忘れられない失敗について書きます。
テーマは、「一週間かけた1枚の図解が裏紙に……ああ〜」という話です。

一週間かけた、頑張った1枚


まだ私が、自分のことを「社長のゴーストライター」と名乗る前のことです。
実力も実績も、今ほど胸を張れるものではありませんでした。

ある方の紹介で、ある会社の社長を訪問しました。

社長は、とても熱く語ってくれました。
 「うちは、こういう事業をやっているんです」
 「これから、こういう方向へ進みたいんです」
 「将来は、こんな形にしたいんです」
私は必死にメモを取りながら聞いていました。
そして、心の中でこう思ったのです。

「これは、体系化が必要だ」

その会社の事業は、可能性があるように見えました。
でも、仕事の流れや協力会社との関係、足りない機能などが、
まだ整理されていないようにも感じました。

そこで私は、持ち帰ってから一週間かけて、ヒアリングした内容を整理しました。

事業の流れを分解し、足りない機能を洗い出し、
協力会社との連携の仕組みを組み込み、1枚の「事業体系図」にまとめました。

当時は、今のように「ビジネスモデル」という言葉も一般的ではありませんでした。
でも私は、事業は“仕組み”で考えなければ動かせないと考えていました。

だから、その1枚にはかなり気持ちが入っていました。
「これを見たら、社長はきっと喜んでくれる」
そう思っていたんですよね。

「イイですね」の、その後


翌週、アポを取り、その図解を持って社長を訪問しました。

私は一生懸命説明しました。
 「ここが現在の仕事の流れです」
 「ここが弱い部分です」
 「ここを補強すれば、協力会社との連携が広がります」
 「将来的には、こういう仕組みにできます」

自分としては、かなり本気でした。
一週間かけて考えたものですから、説明にも熱が入ります。

社長は、その図解を見ながら言いました。
「イイですね」
手応えは、悪くない。
そう思いました。

ところが、その後です。
話が続く中で、社長はその図解をひっくり返しました。
そして、その裏にメモを書き始めたのです。

一週間かけた1枚の図解が、裏紙になりました。
ああ〜、です。

もちろん、社長に悪気があったわけではありません。
ただ、その瞬間に分かったのです。

「あ、この図解の価値は伝わっていないんだ」と。

こちらにとっては渾身の1枚。
でも、相手にとっては、ただのA4用紙だったのです。

ズレていたのは、図解ではなく前提だった


後になって、ようやく分かりました。

社長の頭の中にあった事業の見方は、とてもシンプルでした。
「仕入れた商品に利益をのせて販売する」
基本は、この構造だったのです。

一方で、私はこう考えていました。
 ・事業は構造で設計するもの。
 ・協力会社との関係性も含めて、仕組みとして組み立てるもの。
 ・今の仕事を、将来の成長につながるシステムとして整えるもの。
つまり、見ているレイヤーが違っていたのです。

社長は「売買」という日々のオペレーションを見ていました。
(当時は、ビジネスモデルという言葉自体が一般的ではありませんでした)
私は「事業システム」という構造を見ていました。
もともとSEですから。

どちらが正しい、間違っているという話ではありません。
ただ、抽象度が合っていなかったのです。

相手がまだ「今日どう売るか」「今どう回すか」を見ている段階で、
こちらが「全体構造」や「将来の事業設計」を差し出しても、受け取れないことがあります。

こちらが良いものを出したつもりでも、
相手の問題意識とつながっていなければ、それはまだ価値にならないんですよね。

本当の失敗は、提案する前に確認していなかったこと


今振り返ると、本当の失敗は、図解の出来ではありませんでした。

相手が、どの視点で事業を見ているのか。
今、何に困っているのか。
どこに限界を感じているのか。
そもそも「仕組みで考える必要性」を感じているのか。

そこを確認しないまま、
私は「こうあるべき、これが最適解」と
自分の考えを形にして持って行ったからです。

もちろん、仕事が欲しい気持ちもありました。
「これを見せれば、きっと評価してもらえる」
「この図解で、自分の力を分かってもらえる」
そんな思いもあったのだと思います。

でも、価値というのは、こちらが決めるものではありません。
相手の問題意識と接続して、初めて価値になります。

どれだけ時間をかけた図解でも、どれだけ美しく整理された資料でも、
相手が必要性を感じていなければ、それはただの紙です。

あのときの社長にとって、私の図解はまさにそうだったのでしょう。
だから、裏紙になったのです。

これは、なかなか痛い学びでした。

あの「ああ〜」が、今の原点になった


この経験から私が学んだのは、まず問題意識を共有することの大切さです。

図解そのものが悪かったわけではありません。
考え方も、まったく的外れだったとは思っていません。

ただ、タイミングが早すぎました。
そして、前提の共有が足りませんでした。

今なら、いきなり図解を描く前に、まずこう聞きます。
 「今のやり方で、どこに限界を感じていますか?」
 「この先、何がボトルネックになりそうですか?」
 「社長の頭の中にある構想を、誰と共有したいですか?」
そこから始めます。

図解は、描くことが仕事ではありません。
相手の頭の中にある想いを、言語化し、構造化し、可視化し、共有できる形にすること。
そのための道具です。

一週間かけた1枚が裏紙になった経験は、確かに悔しかったです。
でも、あの「ああ〜」があったからこそ、今の私のスタイルができました。

伝える前に、聞く。
描く前に、前提をそろえる。
提案する前に、相手の問題意識とつなげる。

あの裏紙は、私にとって失敗の象徴であり、同時に原点でもあります。

あなたにも、もし「一生懸命つくったのに伝わらなかった」という経験があるなら、
それは決して無駄ではありません。
その悔しさの中に、次の仕事の型が眠っているのかもしれません。





#図解思考
#言語化
#構造化
#経験学習
#コンテンツ
#ノウハウ
#知的資産

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
AI時代に豊かに活動するために 人生経験を武器にする!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

0022 ⇔ 0024

 一覧へ

図解を、こんな仕事の体験から図解になりました 図解:無料:図解コンテンツPDF
図解:池田秀敏:ツイッター 図解:池田秀敏:フェイスブック 図解:雑誌投稿:テオリア 図解:販売用図解CD−ROM


有限会社 テオリア

経験をコンテンツ化して「強み」資産へ
図解思考コンサルタント

有限会社テオリア 池田秀敏池田 秀敏

〒942-0036 新潟県上越市東中島1943-91 info@teoria.co.jp



バナースペース