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自営業やパラレル・ワーカーの「もっとできる!」を図解思考で底上げする

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〒942-0036 新潟県上越市東中島1943-91

有限会社テオリア 図解思考コンサルタント 池田秀敏 コツコツと「強み」を積上げて自由に働く人を応援!

こんな体験から 作業に逃げ込んで「一生懸命!」と自分に言い訳

作業に逃げ込んで「一生懸命!」と言い訳していないか?


有限会社テオリア 図解思考コンサルタント 池田秀敏もう、30数年くらい前のことです。

もう、30年くらい前のことです。
酒販店チェーンの研修講師をしていたときのことです。

そのチェーンは、関西発祥で全国展開しようとしていました。
関西方面から始まり、新潟県内にも加盟店を広げ、
私の地元の酒販店も加盟していました。

当時は、酒のディスカウント店がどんどん出てきて、
普通に酒屋さんをやっていては続けられなくなっていました。
そこで、チェーンとして新しい魅力を打ちだそうということで、
加盟店を広げていました。

担当していた研修は、
店主ご夫婦に参加していただき、
今までの仕事のやり方を、
ゼロから考え直すキッカケにを提供する1泊2日の研修でした。
大きな店舗では、社長と従業員という参加もありました。

私は、その研修内容の企画とテキスト作成からお手伝いしました。
その頃から図解を使って文書を作成していたので、
分かりやすい図解でという依頼いただきました。

でも、当時はパワーポイントは発売前です。
マックを使ってインスピレーションというソフトを使っていました。
四角い枠や矢印などを使って図解していました。
それだけだと味気ないので、挿絵は紙の切り貼りで作り、
コピーしてテキストをつくっていました。
昔懐かしい作り方です。
これが、今のクリップアートを入れた図解のテキストの出発点になっています。

研修は、東京・大阪・名古屋・九州と講座を開催していました。
私を含め、そのテキストを使って数人の講師で分担していました。
私は東京を中心に、時々大阪や名古屋に行っていました。

当時の酒屋さんは...
大名商売と言うのでしょうか、今では考えられない状態でした。

お酒の仕入では、こんなこともありました。
 問屋の営業マンがやってきて、
 ほこりの積もった棚を掃除して(もちろん、お店の棚です)
 値札をつけて(納品した酒瓶です)
 倉庫を整理して酒瓶を積上げ
 店主に頭を下げて帰る
これが、一般の酒屋さんの”仕入”業務だったのです。
店主は、営業マンにお酒の数を指示するだけです。

問屋は、どの酒屋さんに卸しても同じ販売価格で、
どの酒屋さんも販売量は似たり寄ったり、
営業マンは、担当件数で成績が決まる言うのが実情でした。

ですので店主に嫌われないように、他の銘柄のお酒より、
自分の銘柄のお酒をたくさん置いてもらえるように気を使いました。

でも、ディスカウント店がでてくると状況は激変しました。
地元のお客さんもそこに買いに行ってしまいます。
これまで確実に売れていたお酒やビールの売上が、
ドンドン減ってきます。

問屋の営業マンも、
納品に手間がかかって儲けの少ない酒屋さんに納品するより、
ディスカウント店を相手に商売した方が効率が良いと、
考えるようになりました。

ディスカウント店の仕入の特徴は
 ・大量に
 ・それも計画的に
 ・現金で買ってくれ
 ・仕入コストを下げるために
 ・トラックで買いにきてくれたりします
卸問屋の営業マンとしてはどっちが良いでしょうか?
卸価格の単価は下がりますが、
販売コストは小さく一度に大量に売れます。
安くしても儲かります。

問屋も商売ですから、
販売量が多くて儲かるディスカウント店の方を向きます。

ディスカウント店は、酒の安売りに目覚めたお客様が増え、
どんどん店舗も増えていきました。

それまでの”酒屋さん”の商売は
 ・問屋の持ってきたお酒を棚に並べ
 ・一生懸命に笑顔で配達をして
 ・昔からの付き合いを大切にする
それで売れていました。
売れていたのは、どこで買っても価格は同じからです。

どうやったらお客さんが来てくれるか?
考えた経験もなく、考える必要性もありませんでした。

それが、厳しい現実にさらされ
商売への意識改革が必要になりました。
その現状に危機感を持った酒屋さんが加盟してきました。

研修の最初にやったワークシートは
今まで買い物をして
 『嬉しかったこと・ 楽しかったこと』 
   ...自分のお店に応用できます

 『不快だったこと・ もう行きたくないと感じたこと』
   ...反面教師にできます
この2つをテーマに紙に書いてもらいました。

でも、実態はほとんど書けません。
体験談を話すこともできません。

酒屋さんですが、
お酒以外はどこかのお店で買っています。
何らかの体験しているはずですが、
 ・自分のお店だったら”どうするか?”
 ・どう応用したら自分のお店を良くできるか!
考えたコトが無いのです。
考える必要も無かったのです。

次はワークシートは、
『どんなお店にしたいですか?』です。  
やっぱり、ほとんど書けません・話せません。

目指す未来が見えていないのですから、
何を・どうするかが具体化できません。

これでは、どう改善するかを考えることができません。

でも、そこに集まった人は、「何とかしよう」と
チェーンに加盟しただけ先進的なお店なのですが..

当時の酒屋さんは「働き者」の代名詞でした。
電話が来れば、すぐに配達に行く。
朝早くから、重いお酒を配達して、長時間労働。
まじめな人でないと続きません。
ただ一生懸命に頑張れば良かったんです。

でも、何か考えたりアイデアを出そうとすると
 余計な理屈を言うな、
 バカな事を考えないで、
 さっさと御用聞きに行ってこい。
と言われて育ってきた長い経験がありました。
昔は、まじめに御用聞きに行けば、
それなりに成果も上がりました。
考えることを止められ作業に追い込まれていました。

私が、若い頃に勤めていたスーパーが酒屋さん
米屋さんもやっていました。
若かった私は店長やそこの従業員とも親しく、
よく出入りして実情を見たり聞いたりしていました。
どこも同じような状況だったようです。



上手く行かない、困ったと言っても何が問題なのか?
具体的に把握していない場合が多いのが現実です。

仕事の「仕組み」を改善することで、
問題を大きく改善できます。

仕事の「仕組み」の問題は
 ・何が「不足」している?
 ・何が「不便」なのか?
 ・何が「不満」なのか?
 ・何が「不都合」なのか?
 ・何が「不合理」なのか?

具体的に考えてみましょう。

改善のスタートは、正しい現状認識です。
正しく言葉で定義することが必要です。

考えながら現場で仕事をしていないと、
どこに問題があるのか見えてきません。

もう昔の話と片づけられるでしょうか?
机に向かって考えていると、
「さぼっていないで、仕事をしろ!」と
怒られる職場もまだまだあります。

これだと「仕事=作業」の定義です。
作業を一生懸命に、
量をこなすことで成果が上がり続ければ良いのですが..
もう、そうはいきません。

目の前の作業に逃げ込んでいてもダメ、
作業に追いこんでもダメです。


社会が変わり、事業の再定義が必要になっているのに、
昔からの仕事のやり方に固執していないでしょうか?

これまでのやり方で、一生懸命にやることで、
乗り切ろうとしていないでしょうか?

一度、立ち止まって考えてみませんか?


認知科学者の苫米地英人氏は、
 「自分が重要と思えないものは見えない」
 「ゴールがあるから認識が生まれる」

と言っています。

まさに、見えるか見えないかは自分次第です。

将来
 ・何を目指しているのか!
 ・どうなりたいか!
これが明確でないと、
仕事の現場が「作業現場」になります。

作業を一生懸命にやるだけでは
見えてきません。
「気づき」が得られません。

気づいて考えないと、
現場を変える「知恵」が生まれません。

「考える」という行為は、簡単に結果は出ません。
結果が出るまで、考えて工夫することが必要です。

現場の作業に逃げ込めば楽です。
自分は一生懸命にやっていると言い訳できます。

部下の指導も、「あれをやって、これをやれ!」と
作業指示することができます。

考える部下を育てようとしたら簡単には行きません。

作業に逃げ込んでいませんか?
逃げ込んでいるとしたら、すぐにやめましょう。



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